【オリジナル真空成形品】おめん・ディスプレイ・雑貨・ブリスター

手吹きのお面は、今では立派な高級工業製品だと思うほどである。
品質もさながら、費用あっての仕事話である。
数量がまとまるほど費用面で力を発揮するオフセット印刷を利用して、お面作成のテストをしてみた。
求められやすいお面の作成を目指してだ。
’吹付け塗装によるお面の着色’ に対して、個人的に思い入れが強い。一色々手吹きで色を着けていくその風合いは、何とも言えないものがある。精密でないその不揃いさが、逆にレトロ感をかもし出す。しかし工程上、費用が高くつく。手吹きのお面は、今では立派な高級工業製品だと思うほどである。品質もさながら、費用あっての仕事話である。数量がまとまるほど、費用面で力を発揮するオフセット印刷を利用してお面作成のテストをしてみた。仕上がりや費用、どう異なるだろう?塗装工程の少ない鬼のお面で、まず試す。
塗装とオフセット塗装とオフセットの透け方の違い
二つ並ぶ鬼のお面の左側が、塗装による着色。材料には地色の赤色を練りこんである。塗装は黒と金色。右側がオフセット印刷後に型合わせを行ったもの。今回はオフセットインキの特性を、より試してみたかった。あえて透明材に白を二回敷く。その上に4色の掛け合わせ印刷を行った。金はにせ金。成形用UVインキには金銀はないとの話。この画像からわかるだろうか。やはりオフのインキ層は薄く、パンチがない上に色が沈む。重ねて刷ったが白の弱さも影響している。光に透かす。裏に回った指の影がくっきり見える。
塗装で着色したお面と印刷合わせのお面
オフ白+4C。白の二度刷りがどこまで使えるのかを試してみたかった。シルク印刷の白で留めた場合との違いをみたかった。何故そこまで、透明材にオフセット印刷することをこだわったのか?答えは、‘費用’。色のくっきり感を考えれば、元から白材料に印刷すればよい。もう一度画像を見てほしい。印刷合わせのお面の両目は抜かれていない。印刷を逃がすことで視野を確保しようという仕様になっている。透明材を使うことで、両目を抜くという二つのプレス工程が減る。そして、シルク白1C>オフ白1C×2の費用なのだ。
目の穴が中央目の穴に偏り
目の穴あけの話をする。お面には目の穴も含めた、視野を確保する目的の仕様がつけられている。が、実際お面の目の穴が、人の目の穴の位置や大きさに合うことは珍しい。キャラクターによっては、とんでもない位置に目があったり、とんでもなく小さかったりする。それ故、お面を被っての行動が危ないことの注意を促すシールを裏面に貼っている。

目の穴を抜くときには重ねて抜く。複数枚重ねて抜くことにより、時間と費用をカットしている。それが画像のように、実写面の目の穴を抜くような場合。印刷合わせは全数が同じ位置に合っているように見える。が、実は全てが微妙に違う。高温加熱して伸ばす生産方法ゆえ、そこまで正確ではない。抜型の位置を固定しても抜かれる側の目の位置が微妙に違えば、目の位置に対してあく穴の位置も違う。画像のように。重ねて抜くとそのズレの確認も難しい。多くの場合で一枚々、目見当で合わせながら抜かなければならなくなる。

この手間を省くため、最初から目の穴に相当するものを作る。そう、目の穴の部分が透明になっていれば良いのだ。どんなに加熱伸ばししようと、目の中の透明部分の形は変わっても位置関係が変わることはない。目からはみ出してしまうようなことはないのだ。こうすることによって、時間を短縮し費用を抑える。だからこそ、透明材に印刷がしたいのだ。
と、ここまで書いて現状をお知らせする。
今はまだ、この仕様では使えない。検証を続けている。
今回のこのテスト、成形用UVインキの使用経験の豊かな (と言っても元々のパイが小さい) 印刷現場にお願いした。が、下地に敷いた白インキの密着度が低く、はがれてしまう。どうやら白インキは、他の4色(YMCK)とは印刷条件が異なるようだ。‘ 普通に白材料に4色を刷る・透明材を使用する場合でも裏刷りを行い最後にシルク印刷の白でとめる ’という印刷手順は問題ない。確かめた。トラブルがあったのは、全てオフセットインキを使用して(白+4色)を刷った場合のみであった。透明材を使用したいなら、シルク白でとめる?
インクのはがれインクのはがれ2
まずはシルク印刷の白を使わずに、全てオフセットインキで印刷し切ろうと考えた理由。一つは前述したとおり、費用。オフを2色刷ってもシルク1色の費用よりも安いということ。一つは重ね合わせの精度。下地になる白部分は、上に乗る4色部分よりもコンマ何ミリか小さく刷る。黒子ならぬ白子が前に出てきてはいけないからだ。ベタでするなら問題はない。が、目の穴の部分だけコンマ何ミリ小さくするとなると、同じ機械内で刷り上げてしまった方が、理論的に正確であるに違いない。多面付けの場合、そのズレは特に心配だ。

加えて一つ。シルク白を使うとすれば最後のとめ。下地ではない。成形用UVインキはデリケート。これはUVインクジェットでもそう感じた。密着させるだけなら、そうでもない。問題は密着させて、そして成形時に割れないということが大事なのだ。この条件は相反している。そんなデリケートなインキが、他の印刷方法のインキの上に容易く乗るとは思えない。なのでシルクの白を使うならば、透明材の裏からまずオフセット印刷4色を刷った後に「とめる」ということになると考えた。シルク印刷は‘ オフに比べ適応能力が高い‘と思っている。

で、ここでお面屋の宿命が顔を出す。‘ 顔に触れる側に塗料やインキを着けたくない ’。ディスプレイなら問題ない。が、お面ではダメだ。色着けは表側から。となればシルク印刷の白は下地での使用のみとなり、オフとの相性を考えると現時点では難しい。これらが今回シルク印刷の白を使わずに、オフ白二回刷りを選択した理由。尚、UVオフセットの白インキの密着性の検証は続けている。求められやすいお面を作る。良い結果をご報告したいという思いだけである。
これでおしまい?では意味ないよね、このページ。
透明がダメならば、素直に白材にオフセット印刷した場合の費用効果の一例を。
この後の進行のため、イメージを作った。オフ透明表刷りの裏面に、シルク印刷の白色を1色入れた。白材の表面にUVオフセット印刷で刷ったら、どんな感じになるか。この画像から、白材に刷ればオフセット印刷でもある程度色が出て、遮光性もあがるとメージでして頂ければありがたい。現時点で実物がなく、あくまでもイメージで申し訳ないのだが。
白の有無

「塗装で色を吹き付けた鬼のお面」 VS 「オフセット印刷物を成形合わせした鬼のお面」。条件。ロットは10000ヶ。塗装→赤色材に塗装二工程(黒・金)。オフセット印刷→白色材に4色。塗装→従来とおりの目・耳穴抜き。オフセット印刷→目は重ね抜きが出来るという前提、耳は側頭部ではなくフランジ部分に開ける。その他、ゴム紐付け等の後加工は同じ。
側頭部に耳の穴フランジ(=つば)に耳の穴
見栄えは、恐らく(いや間違いなく)色のメリハリは塗装の勝ちであろう。オフセット印刷は材料を白色材としたことで、透明材を使用した場合に比べれば色は出る。が、やはりインキ層の薄さが痛い。光沢感もそうであろう。如何せん、塗装仕様は地色の赤が材料練り込み。一方はプラスチックの赤、一方は印刷色。伸ばされると印刷は、より色が薄くなる。

塗装とオフ。この二つの着色方法の費用の差は、塗装工程の数に大きく因る。基本オフセット印刷は、4色の掛け合わせである程度の色は表現し切れてしまう。つまり、見た目の色数が増えようと費用の増大には大きくはつながらない。なので、差が生じさせて行くのは手吹きで色を着けていく塗装工程の数。まずは塗装工程の少ない鬼の比較でみると。
総額(塗装対オフセット印刷生産費用(塗装対オフセット印刷)
やはり、驚くほどの費用の差は出ない。総額になるとその差が詰まるのは、オフセット印刷の方が塗装仕様より初期費用がかかっているということ。塗装工程が少ないということはマスキングカバーの枚数も少ないということだから、初期費用は低め。この鬼のように塗装工程2というのは珍しい。通常5工程ほどはある。では、塗装工程が2→5に増えた場合。
総額(塗装5工程対オフセット印刷生産費用(塗装5工程対オフセット印刷)
総額、生産費用共に、塗装仕様の方がオフセット印刷合わせ仕様に比べ、二倍近く費用がかかる。生産数量が10000ヶとなれば、その費用の差額はかなりインパクトがある。仕上がりの違い(色・光沢・絵柄と形状の合わせ等)を差し引いても、印刷合わせを選ぶメリットが出る。費用優先の考え方が成り立つのではないだろうか。

今回、「費用のことを優先的に考えて」お面の作り方をテストしてみた。初めて行うことにはトラブルはつきものだが、一方知り得たことも多い。各々の生産方法には、メリット・デメリットが確実にある。生産の目的をしっかりとご検討いただいた上で、その仕様を決めて頂ければと思う。今回テストした、UVオフセット印刷を使ったお面作り。配布用など、特に費用を抑えたい販促物としてはとても有効だと思う。


次の課題
次の検討課題に着手する。‘より簡易的、より費用をかけずに’を求めて。ここでうそぶくことが、お客様の利益になると信じている。できる限り早く、結果をご報告するつもりだ。
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